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 担当するITビジネス関連科目の基礎の基礎のキーワード集(暫定版)です。今後も加筆修正の可能性大です。

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データ・情報・知識ナレッジ・マネジメントIT(information technology)経営情報システムITケイパビリティインターネットインターネット・ビジネスイントラネット、エクストラネットWWW(World Wide Web)ウォーターフォール・モデルシステム・エンジニア(SE)プログラマシステム・アドミニストレータソフトウェアオペレーティング・システム(OS)モバイル・コンピューティングユビキタスブログ(blog) ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)


データ・情報・知識
 データは、客体(事物や現象など客観的な存在)を観察したり測定したりした結果を表現したもの。情報は、客体の表現であるデータの集合を意味のあるパターンに構成したものであり、意思決定や学習のための素材。知識は、客体についての信念や客体を扱うための技能であり、学習の結果として得られ、意思決定を左右する。一般に言葉や画に表せる形式知と、表せない暗黙知に分類される。例えば、「自転車の乗り方説明書」に書かれたものはデータであるが、読まれて意味が理解された時点で情報となり、学習され(形式知の獲得)、自転車に乗れる(暗黙知の獲得)ようになった時点で知識となる。
ナレッジ・マネジメント
 個人が持つ知識を収集し、組織内で共有・活用を図る経営手法。そもそもは、人材の流動性が高い米国において知識を社内にとどめることを目的に脚光を浴びたが、より積極的に、優秀な社員のノウハウを他の社員に浸透させたり、社員全員が保有すべき知識に速やかにアクセスできる環境を整えることによって、効率化や品質向上を図ろうという狙いがある。一般に、テキスト・データベースと検索機能を中心とするナレッジ・マネジメント・システムの導入を指して用いられるが、その本質的な意味からいって、必ずしもコンピュータ・システムを含む必要はない。広義には、このキーワード集を作成することもナレッジ・マネジメントである。わが国では、1990年代後半に普及したものの「自分の知識を提供したがらない」「知識が活用されない」などの問題が生じ、必ずしも成功していない。知識の提供者に「知識を盗まれるだけではないか」「提供した知識をバカにされるのではないか」などという恐れや不信があったり、活用する側に「提供者に敬意を表すつもりはない」「人の知識など役に立たない」などという考えがあると失敗するとされる。ナレッジ・マネジメントの導入には、技術的側面のみならず、知識の提供と活用を奨励し動機づけるような仕組みや制度といった人間的側面への配慮が不可欠である。なお、ナレッジ(knowledge)とは本来「知識」の意であるが、ナレッジ・マネジメントの対象は、通常、コンピュータ・システムで処理しうるデータ、情報、形式知である(→データ・情報・知識)。
IT(information technology)
 データの入出力、記憶、演算、通信の機能や、その制御の機能を担う技術の総称。近年では、しばしば、通信機能をより強調してICT(information and communication technology:情報通信技術)とも呼ばれる。したがって、広義には、文字や文書、狼煙、算盤、掲示板から、電信や電話、FAX、ラジオ、テレビなどが含まれうるが、一般的には、デジタル・データを扱うコンピュータ・システムを指して用いられる。コンピュータ・システムとは、通常、入力装置、記憶装置、制御装置、演算装置、出力装置という五大装置を有するプログラム内蔵型(ノイマン型)コンピュータを指す。したがって、コンピュータ・システムの機能は、これらの5つの機能と、明示はされないものの装置同士を連結するために不可欠な通信機能を含めた6つの機能が、コンピュータ・システムの本質的な機能となる。ITやコンピュータ・システムは、経営情報システムと同義に用いられることもあるが、厳密には異なる(→経営情報システム)。
経営情報システム(management information system)
 経営目的に用いられる情報処理の仕組み。情報技術による仕組みと、人や組織、手続きなどによる仕組みによって構成され、大きく、情報の収集、蓄積、演算などの機能を人間に代わって行う自動化機能と、コミュニケーション・メディア機能や情報収集機能など意思決定を支援する情報化機能の2つの機能を有する。しばしば情報技術と混同されるが、情報技術はその構成要素に過ぎず、常に含まれるものでもない。狭義には、1960年代、データベースの登場を背景に提唱され、ブームになったものの技術の未熟さから実現には至らなかったMISを指す場合もあるが、現在では通常、上述の広義の意味で用いられる。なお、システムとは一般に、相互作用する複数の要素から構成され、個々の要素にはない機能を全体として創発するものと定義される。
ITケイパビリティ(IT capability)
 情報技術の組織的な活用能力。情報技術への投資効果がほとんど確認できないという生産性パラドックス論争を経て、情報技術の効果は、それが導入されるだけではなく、組織レベルにおいてうまく活用されなくてはならないことが明らかにされ、着目されるようになった。一般に、IT関連の経営資源には、@情報インフラストラクチャなど情報技術自体を表す技術的IT資源と、Aそれを活用する利用者、管理者、技術者などの人的IT資源、Bそれら2つを経営目的の達成に向けて調整し管理する知識や能力を指す知的IT資源という3つの資源が含まれる。ITケイパビリティという場合、このうち知的IT資源を指して用いることが多い。知的IT資源には、@IT活用ビジョン構築能力(IT活用に関する企業方針の策定能力)、AIT活用コミュニケーション能力(IT活用のための経営層、ユーザ部門、IT部門の対話能力)、Bプロセスデザイン能力(ITを活用した業務設計能力)、CIT投資適正化能力(IT投資効果の評価能力)、Dチェンジリーダー開発能力(ITを活用して業務改革を推進できるリーダーの育成能力)という5つの能力が含まれるとされる。
インターネット
 「ネットワークのネットワーク」の意の通り、ネットワークを相互接続することにより構築されたTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)をデファクト・スタンダード(事実上の標準)のプロトコルとするコンピュータ・ネットワーク。米国防総省の高等研究計画局(ARPA: Advanced Research Projects Agency、後に防衛高等研究計画局DARPA: Defense Advanced Research Projects Agencyに改称)が、核攻撃に備えて実験導入した分散コンピューティングのためのネットワークがその起源とされる。当初は、大学等の研究機関を結ぶのみであったが、1990年代、小型化・低廉化したパーソナル・コンピュータとWWW(→WWW)を閲覧するためのインターネット・ブラウザの普及を背景に、商用利用が急速に進んだ。しばしば、WWWと混同されるが厳密には異なる。
インターネット・ビジネス
 インターネットを主たるフィールドとして展開されるビジネス。「ビジネスにおけるインターネット技術の活用」という広義での解釈もありうるが、昨今の経営情報システムはインターネット技術を活用していることが少なくなく(→イントラネット、エクストラネットなど)、この解釈が適当であろうと思われる。
イントラネット、エクストラネット
 イントラネットとは、インターネット技術(TCP/IP、WWW、インターネット・ブラウザ、HTMLなど)を用いて構築される、社内のみで閲覧利用できる情報交換や共有、コミュニケーションの仕組み。エクストラネットとは、イントラネットの活用範囲を、社内のみならず、社外にも広げたもの。社外といっても限られたメンバー企業のみにアクセス権限が与えられる。
WWW(World Wide Web)
 WWWは、欧州核物理学研究所(CERN)によって開発・提唱されたハイパーテキストによる分散データベース・システム、すなわち、テキスト中の任意の場所に埋め込まれたハイパーリンクをたどることで、コンピュータ内部あるいはインターネットをはじめとするコンピュータ・ネットワークに接続された別のコンピュータに保存された関連するデータや情報を次々と表示させていく仕組み。ウェブと呼ばれることも多い。通常、インターネット・ブラウザで閲覧される。しばしば、インターネットと混同されて用いられるが、WWWは、インターネット上で最もよく利用されるシステムあるいはサービスのひとつであり、電子メールやファイル転送などと同じ位置づけである。
ウォーターフォール・モデル
 情報システムあるいはソフトウェアの開発プロセスの最も基本的なモデル。滝の水流が上から下へと流れるように工程を順にたどることからこう呼ばれる。非常にわかりやすく計画を立てやすいことから利用されることが少なくないが、テスト工程が最終段階に組み込まれているため納期間際に問題が発覚してしまうという問題がある。問題解決の方法としては、プロトタイプの活用(プロトタイピング・モデル)や、開発工程の繰り返し(スパイラル・モデル)、機能ごとの段階的リリース(段階的開発モデル)がある。ウォーターフォール・モデルは、一般に、次のようなプロセスとなる(下記については一例であり、論者や企業、技術者によって工程の呼び方などは異なるが、基本的な考え方は同じである)。
  1. 基本計画(要求定義)
     現業の問題点を分析しユーザーの要求を定義しシステム開発計画をたてる。
  2. 外部設計(システム設計)
     ユーザーの観点から見た情報システムの機能、入出力(操作方法、画面・帳票など)、性能を設計。
  3. 内部設計(コンポーネント設計、プログラム設計)
     ユーザーが通常認識しない内部処理の方法、機能分割、モジュール構成を設計。
  4. プログラミング
     コーディング、単体テスト(モジュールごとの動作検証)。
  5. テスト
     結合テスト(複数モジュールの連携を検証)、システムテスト(全体の動作検証、ユーザーの操作検証)、運用テスト(実運用し検証)。

システム・エンジニア(SE)
 情報システムを設計する技術者。広義にはシステム開発に携わる技術者すべてを指す場合もある。情報システムは、通常、ユーザーの要望を確認する要求定義からはじまり、ユーザーが認識できる入出力を定義する外部設計、内部処理を規定する内部設計、外部・内部設計を具体化するコーディングやテストを経て開発されるが(→ウォーターフォール・モデル)、SEは、要求定義や外部・内部設計などいわゆる上流工程を担うことが多い。経営情報システムは、導入すれば効果が得られるわけではなく、うまく活用されてはじめて有効に機能するものであるため、ユーザー企業の経営との融合が欠かせない(→ITケイパビリティ)。そのため、ITに関する知識だけではなく、ユーザー企業の経営戦略やそれを受けた形での情報化戦略、あるいは、情報システムを実際に活用する現場の業務についての理解が必要となる。その意味で、SEは、ビジネス・マネジメント学群で学んだ経営学の知識をそのまま活用できる職種といえる。要求定義の段階、あるいは、それ以前の段階で、ユーザーに対して情報システムの導入の提案や情報化戦略を提言するSEは、システム・コンサルタント、システム・アナリストとして区別されることもある。
プログラマ
 IT関連の職業と言うと、いまだプログラマが連想されがちだが、昨今のシステム開発では一般に分業が進んでおり、プログラマはIT関連の職種のひとつでしかない。情報システムは、通常、ユーザーの要望を確認する要求定義からはじまり、ユーザーが認識できる入出力を定義する外部設計、内部処理を規定する内部設計、外部・内部設計を具体化するコーディングやテストを経て開発されるが(→ウォーターフォール・モデル)、プログラマは、このうちコーディングやテストなどのいわゆる下流工程を担当する。
システム・アドミニストレータ
 ユーザー側で、情報システムに関する一定の知識や技術を有し、利用部門の情報化を推進する管理者。エンドユーザーコンピューティングの推進、利用部門のシステム開発支援、SEやプログラマなどシステム開発の技術者に対する利用部門の意見や要望の提起、利用部門での情報システム環境の整備や教育、といった仕事がある。経営情報システムは、ユーザーによってうまく活用されて始めて効果を発揮するが(→ITケイパビリティ)、そのためには、経営戦略や情報化戦略との不適合は生じていないかについて経営者やCIO(Chief Information Officer)とすり合わせたり、利用部門の要求をまとめたり、業務内容をSE(→システム・エンジニア)などに伝えるなどして情報システムの開発を支援したり、開発後の情報システムの活用を推進することが重要となる。システム・アドミニストレータは、ユーザー側において、そうした役割を担う重要な職種であり、ITを活用しない企業のない現代にあっては、どの企業においても必要な職種といえる。システム・アドミニストレータもまた、経営学関連の知識を大いに活かせる職種のひとつである。
ソフトウェア
 ハードウェアとコンピュータ・システムを構成し、その処理方法や操作方法などを規定するプログラムの総称。翻訳され最終的に機械が理解するのは1と0で記述される機械語であり、一方で、処理されるデータも1と0で表現されることからソフトウェアは「データを処理するデータ」と呼ばれることもある。大きく、基本ソフトウェア(Windows、Unix、LinuxなどのOS(→オペレーティング・システム))、ミドルソフトウェア(ネットワーク関連(最近はOSの一部)、データベースソフトなど)、応用ソフトウェア(WordやExcelその他の業務ソフトウェア)に区分される。携帯電話にも同様の構造がある。
オペレーティング・システム(OS)
 広義には基本ソフトウェア、すなわち、ハードウェアを動作させるための基本的な共通機能を提供するソフトウェアのこと。狭義には基本ソフトウェアの一部を構成する制御プログラムを指す。制御プログラムは、ハードウェアの動作を制御し効率的に動作するよう管理するもので、ジョブ/タスク管理(実行順序等の管理)、メモリ管理(メモリが効率活用されるよう管理)、入出力管理(遅いプリンタなどが効率的に活用されるよう管理)するもの。基本ソフトウェアには、制御プログラムの他に、言語プロセッサとサービスプログラムも含まれる。言語プロセッサは、人間にわかるプログラム言語(原始プログラム、ソースコード)を、ハードウェアにわかる機械語(目的プログラム)に変換するもの。また、サービスプログラムとは、コンピュータの利用を支援するための汎用的なソフトウェアであり、テキスト編集や記憶装置間のデータ転送や複写等のプログラムがある。したがって、OSの主要な役割は、ハードウェアの有効活用と利用者の負荷軽減である。パソコンの代表的なOSとしてはMicrosoft WindowsやUnix、Linuxなどがあり、携帯電話ではSymbianやLinuxが普及している。
モバイル・コンピューティング(mobile computing)
 小型ノートパソコンやPDAなど携帯用情報機器を用い、移動した先々でコンピュータを利用すること。従来は、ネットワークに接続するために、それらの機器に携帯電話などの通信端末を接続し、組合せて利用することが常であったが、近年では、ノートパソコンやPDAなどの機器が通信機能を備える一方、携帯電話が電子メールやWWWサービスの閲覧機能をはじめ、スケジュール管理、Word、Excel、PowerPoint、PDFなどのファイルの閲覧・編集の機能を持ち始めており(スマートフォンなど)、携帯電話のパソコン化が進行する状況にある。
ユビキタス(ubiquitous)
 「いつでも、どこでも、だれでも」コンピュータの恩恵を享受できることをいう。ユビキタス・コンピューティング、ユビキタス・ネットワーク、ユビキタス社会などとして活用されることが多い。モバイル・コンピューティング(→モバイル・コンピューティング)の発展と普及は、ユビキタス社会への変化のひとつと見ることもできる。また、家電がネットワークで接続され相互に情報をやり取りする情報家電を指してユビキタスという用語が用いられることも多い。ただそうした変化の結果、ネットワークに接続される通信機器が増加するに従い、IPアドレスの枯渇問題が深刻化しており、現行のIPv4(32bit)からIPv6(128bit)への変更の必要性が叫ばれているが、こうした問題を指す場合にもユビキタスという語が使われることがある。
ブログ(blog)
比較的高い頻度で更新(追記)することを目的とした日誌型Webサイトの総称。ウェブ(Web)+日誌(Log)からWeblog→blogとなった。ただ用途的には必ずしも日誌である必要はなく、一般的なWebサイトと同様幅広い目的に利用され、最近では、ビジネスブログや社内ブログなど企業による利用も増えている。機能的には、コンテンツマネジメントシステム(CMS)を備え、技術的な知識がなくても利用できる。通常、記事を登録すると、自動的に時系列に表示される他、他サイトの記事に自サイトの記事へのリンクを張るトラックバック機能や、閲覧者が記事に対してコメントをつけることを可能にするコメント機能などがある。また、携帯電話で記事を更新できる機能を備えるものも多く、携帯電話を使って更新されるブログ、あるいは、携帯電話を利用してブログを更新することを、Mobile Blogを略してモブログ(moblog)と呼ぶ。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)
 インターネットおよびWWWの技術を用いて、人と人とのネットワーキングを支援するオンライン・サービス。友人や知人、あるいは、何らかの趣味や嗜好、はたまた、居住地域や出身校などをテーマにオンライン上にコミュニティを構築できる。また、SNSの利用者は、別のSNS利用者を友人や知人(人脈)として公開することができるため、利用者が友人の友人や知人の知人にアクセスすることができるようになる。MixiやGREE、FriendsterといったSNSが有名。携帯電話でも同様のサービスがあり「モバゲー」もSNSと携帯電話用ゲームを組み合わせたサービス。
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